病院に行くまでのこと

私たち夫婦は、子どもを望んでから約1年間、妊娠しませんでした。私たちはあまり深刻に考えておらず、ゆっくり取り組んだらいいかなという気持ちでいました。しかし、同年代で同じく妊娠を望んでいた友人が病院に行ってみたところ、ホルモン治療や手術をすることになったらしく(詳しい病名等は聞いていないのですが)、子どもを望んでいるなら早く病院に行ったほうがいい、努力の方向が間違っている可能性もある、と言われたことをきっかけに、通院を始めました。

そもそも不妊というのは、妊娠を望んでいる健康な男女が避妊をせずに性交しているにも関わらず、自然に妊娠することができない状態を指します。以前は、日本産科婦人科学会はその期間が2年以上であれば不妊、と定義していましたが、現在はWHOや諸外国に合わせて、1年としています。

私たち夫婦の場合も、自然に過ごして1年間妊娠しなかったので、この不妊の定義に当てはまることになります。そう言われても、当時はたった1年という思いがありました。実際のところ、夫も、そして通院すると決めた私自身も、まだ早いんじゃないか、などという思いがありました。2人とも古い考えの人間なので、子どもは授かりものだという思いが強くありましたし、病院に行くのは自然の摂理に逆らうようにも感じられました。

私は健康にだけは自信があったので、病院に行ってもどうせ何も見つからないだろうと高を括っていました。しかしそんな根拠のない自信は見事に打ち砕かれ、通院し始めてから妊娠するまでにはさらに1年を要しました。しかも原因不明の不妊も多い中で一応私たちには原因と思われるものがあり、今では自信を持って(?)不妊と言えます。